1952年11月19日、マーシャル諸島で水爆実験が行われ、島のあった位置に大きなクレーターが残った以外は島は瞬時に蒸発し消えた。広島の700倍の威力だったそうだ。
1983年10月30日の米国の朝刊には世紀末的な厚い灰色の雲の写真と共に「With nuclear war, be the end of the world」という見出しが大きく掲載されNuclearWinter/核の冬という言葉が初めて使われた。
(この核の冬という言葉の生みの親は私が大ファンである天文学者でありSF作家でもあるカール・セーガンだそうだ)
核戦争が起き都市が焦土と化す。
あらゆるものを燃やした大量の煙は大気中に広がりその中の一部は成層圏を越え雨が降っても流れ落ちることのできない高さに留まり何年も気象に大きな影響を与えることとなる。この成層圏上に残った粒子は太陽光を遮り吸収し地上に寒冷な気象をもたらし真夏であっても零下の気温となる場所も現れると予測されている。
これが核の冬です。
この1983年の記事は核爆弾による破壊という直接的な被害以外に長期にわたる気象の劇的な変化という間接的な被害を多くの人に周知することとなった。
米ソは独自にそして共同で核の冬について研究しそれぞれ同じ結論に辿り着く。レーガン・ゴルバチョフ会談では(今では稀となってしまったが)政治家が科学者の意見に真摯に耳を傾け科学が証明した将来の危機についての考察を支持し核軍縮に向けての努力を始めることとなった。
現在。
核の抑止力に必要な核の数は核保有国それぞれ幾つ必要なのかとの問いに対し答えは1つ(もしくは予備用にもう1つ)であるのに対し、
国連常任理事国5カ国:
アメリカ
フランス
ロシア
イギリス
中国
それ以外の国:
インド
パキスタン
北朝鮮
イスラエル
これらの国が合計12000の核弾頭を保有している。
(イランも加わることになりそう)
専門家が火山の噴火のデータを元に核爆発の噴煙のシュミレーションを行ったところ、気温は氷河期より低温の3℉程度になるだろうとの結果となった。
Science Fridayより
https://podcasts.apple.com/us/podcast/science-friday/id73329284?i=1000633900721