これ読み始めたのだけどすごく良い本だ。
明石書店さんからは以前に『ノンバイナリーがわかる本』も出ていて、そちらは多様な個々人の物語というよりも、法律や医療や歴史に関する情報をまとめたものだったのだけど、こちらは本当に様々な人の個人的な語りが集められていて、「わかる」よりも「わからないことがわかる」ための本のように思う。50代で自分がおそらくAMABノンバイナリーの最高齢にあたるのだと語る人や、友達のトランス女性の手術に付き合ってタイに渡った経験を語るジェンダークィアの人など様々な人が登場して、単一で統一的な理解など困難な、あまりにも多様な現実が浮かび上がってくる本。
もちろん以前の『ノンバイナリーがわかる本』も私の知る限り(翻訳だけど)日本語でノンバイナリーをタイトルにした初めての本ですごく重要だし、『トランスジェンダー問題』も『ホワイトフェミニズムを解体する』も『アセクシュアルのすべて』も明石書店さんだし、最近の明石書店さんの仕事は本当に素晴らしいですね。今後の刊行本も注目だわ。