『スパム』(英: Spam)は、1970年、テレビ番組『空飛ぶモンティ・パイソン』第2シリーズ第12話のラストに放送されたスケッチである。迷惑行為を表す「スパム」の語源となった。『スパムの多い料理店』、『スパムの多い大衆食堂』とも呼ばれる。
スケッチの内容
何故かヴァイキングのたくさんいる大衆食堂にバン夫妻(エリック・アイドル、グレアム・チャップマン)が天井から吊り降ろされてやってきて、厚化粧のウェイトレス(テリー・ジョーンズ)にメニューを尋ねる。ウェイトレスはメニューを読み上げるが、その中は「豚肉と煮豆とスパム」「スパムと卵とソーセージとスパム」「スパムとスパムとスパムとスパムと煮豆とスパムとスパムと…」などと「スパム」ばかり入っている。スパム嫌いのバン夫人(チャップマン)は逆上するが、ウェイトレスはスパム入りのメニューしかないと言い張る。「スパム」が連発されるうちに、周りにいたヴァイキングたちが「スパム、スパム、スパム……」と合唱を始め、食堂はわけのわからない状態になる。
そこへハンガリー人(ジョン・クリーズ)がハンガリー・英語辞書を手に現れるが、辞書頼りのためウェイトレスへの注文が卑猥な発言(「かわいいお尻ちゃん」「私の腸はスパムでいっぱい」)になってしまい、不審者として警官に連れて行かれる。
カットが変わって歴史学者(マイケル・ペイリン)が登場し、ヴァイキングについて語り始めるが、その話の内容もすぐスパムだらけになり、背景の幕が吹っ飛ぶとそこは元の食堂で、結局ヴァイキングが合唱。食堂をバックに流れるクレジットも「SPAM」で溢れている。
誕生秘話
「スパム・スケッチ」を執筆したのは、同じオックスフォード大学を卒業したテリー・ジョーンズとマイケル・ペイリンである。それまでもビジュアル的でショックのある笑いを追求していた2人は、このスケッチも例にもれずシュールなものに仕上げた。だが、番組のメンバーによる台本読み合わせでこのスケッチを読んだ際、エリック・アイドルとテリー・ギリアムは爆笑したものの、グレアム・チャップマンとジョン・クリーズ(ともにケンブリッジ大学卒)は気に入らず、「書き直してもっとよくできるかもしれない…