復興シーンでもしばしば指摘されていたのは、震災後、原子力立地地域以外の避難区域では、公的な役職に必ずしもついていない地域リーダーが、率先して復興を引っ張っていく動きを行う事例がみられたのに対して、原発立地地域では、地域リーダーがいつまでたってもあらわれず、中央依存、役所依存、東電依存、相手の出方を待っていたため、いつまでも地元初の前向きな動きが見えてこない、ということでした。
結果として、中央依存となり政府決定に大きく左右されることになったように思います。
これは、おそらく事故前からの地元の社会経済政治構造を反映しており、原発に依存すればするほど、自発的に地域を変えていこうという人が育ちにくくなり、そうした声を反映させるような政治社会構造にもならないので、東電や中央と依存的につながった人たちが支配的に権力を握る地元構造が強固になっていくということだろうと思います。
こうした社会構造ができあがってしまうと、変化が起きた時には対応できないため、今後、人口減少によって急速に社会が変化していく日本においては、原発労働者は残っても、元あった「地域」はどんどん活力が失われていく、ということになるのではないかと思います。