言いづらいことではあるけれど、MtFの人たちにありがちな感覚で特例法の「手術要件」について語るのはやめにすべき。MtFとFtMではそもそも要件クリアのために必要な手続きは違っているけれど、なかでも不妊化要件(4号)については、MtF の人たちが結果として不妊化を伴う医療的措置(SRS)を希望する割合が低くないのに対して、FtMの人たちには純粋に要件を満たすためだけに子宮や卵巣の摘出を強いられている人たちが少なくないわけで、MtF的な感覚のみに基づいて「手術要件に賛成するか、反対するか」みたいな問いを立てても仕方ないです。そもそも「手術要件」という、4号(不妊化/生殖不能)要件を指しているのか5号(外観)要件を指しているのか分からない言葉自体が、MtF的な状況をベースにしているわけで(FtMには現在5号要件はほぼ関係がない)、このあたりもいい加減きちんと法律が戸籍変更のための「交換条件」としてなにを一律に要求しているのか、そしてその要求がどのような発想に由来しているんか、あるていど以上の解像度で考えられる環境を作りたいです。