エスペラント (Esperanto) は、ルドヴィコ・ザメンホフとその協力者たちが考案・整備した人工言語。母語の異なる人々の間での意思伝達を目的とする、国際補助語としてはもっとも世界的に認知され、普及の成果を収めた言語となっている。
概要
創案者のラザロ・ルドヴィコ・ザメンホフは世界中のあらゆる人が簡単に学ぶことができ、世界中ですでに使われている母語に成り代わるというよりは、むしろすべての人の第2言語(橋渡し言語、リングワ・フランカ)としての国際補助語を目指してこの言語を作った。ザメンホフは、帝政ロシア領(当時)ポーランドのビアウィストク出身のユダヤ人眼科医で、ユリウス暦1887年7月14日(グレゴリオ暦同年7月26日)に Unua Libro(最初の本)でこの言語を発表した。
現在でも彼の理想を追求している使用者が多くいる一方、理想よりも実用的に他国の人と会話したり、他の国や異文化を学ぶためのものと割り切って使っている人もかなりいる。今日では異なる言語間でのコミュニケーションのためのほか、旅行、文通、国際交流(文化交流の場合が多い)、ラジオ(インターネットラジオも含む。無線の場合、短波が多い)、インターネットテレビなど、さまざまな分野で使われている。英語を国際共通語として当然視してしまう言語帝国主義的態度への対抗的姿勢が、とって代わるべき国際補助語として反言語差別の理念を掲げるこのエスペラントを持ち出すこともあった。
エスペラントを話す者は「エスペランティスト」と呼ばれ、世界中に100万人程度存在すると推定されている(使用状況を参照)。
名称
当初は特別な名称を持たなかった(単に「国際語(la lingvo internacia)」とされていた)が、ザメンホフが「エスペラント博士(D-ro Esperanto)」というペンネームを使って発表したため、しだいに「エスペラント(Esperanto)」の名で呼ばれるようになった。この「エスペラント」という単語は、エスペラントで「希望する人」の意味であり、この単語それ自体でこの言語を意味する。
日本語の呼称は日本エスペラント協会などが使用しているカタカナ表記の…