本書では、ユーザが自ら進んで巻き込まれていく、巨大テック企業の運営する各種プラットフォームが、労働のあり方を再編し、創造性のあり方を変容させつつ、普段は可視化されていないが人種の力学が組み込まれていたり、ユーザの無償の労働を巨大なデータの集積と分析によって収益とする構造や、そのあり方の問題点が、さまざまな角度から論じられている。
さらに、各章に「引用・参照文献」リストが提示されており、各章の執筆者自身の関連著作や、内外の重要文献が紹介されているのがポイント。
「引用・参照文献」を眺めているだけで、プラットフォーム資本主義をめぐる問題群に関する、内外の主要な論客の名前に触れることができるし、さらに読み進める際のブックガイドとしても有効だろう。特に未邦訳の文献は今後の邦訳が待たれる文献でもあるかと。