ストライキは「迷惑」って…。労働関係調整法でも「争議行為とは…労働関係の当事者が、その主張を貫徹することを目的として行う行為及びこれに対抗する行為であって、業務の正常な運営を阻害するものをいう」と規定しているように、ストライキは使用者側に「迷惑」をかけるモノ。逆に言えば、「迷惑」がかからなかったら使用者側は労働者側の要求なんて聞くわけがない。だからこそ、ストライキを含む正当な争議行為については憲法28条や労働組合法によって「刑事免責」や「民事免責」といった法律上の保護を設けて使用者側に「迷惑」をかけられるようにしている。
さらに、労働者のしたストライキがしっかり「迷惑」になるように、職業安定法20条では「争議行為への不介入」という事で「公共職業安定所は、労働争議に対する中立の立場を維持するため、同盟罷業又は作業所閉鎖の行われている事業所に、求職者を紹介してはならない。」という規定があるし、労働者派遣法でもこの規定は準用されて、派遣元事業主は同盟罷業又は作業所閉鎖の行われている事業所に労働者派遣をしてはならない事になっている。これらの規定によって使用者側がストライキ中に他から労働者を連れてきて正常に業務を行うという「スト破り」を防いでいる。
このように、憲法や法律によって労働者側が使用者側に「迷惑」をかけられるようにしているのがストライキを含む争議行為なのであって、「迷惑」と感じる人間がいるという事はストライキが成功している証でもある。勿論、使用者側だけでなく客も「迷惑」を被ることになるが、それは事ここに至るまで労働者側との意思疎通が図れなかった使用者側の問題であって、責めるのなら使用者側を責めるべき。
ただ、今回のストに関しては労働者側を応援する声もかなり上がっているようなので、ひょっとすると日本の労働者も何かが変わり始めているのかもしれない。久しぶりに希望が持てるニュースだと感じた。
労働関係調整法 第七条
「この法律において争議行為とは、同盟罷業、怠業、作業所閉鎖その他労働関係の当事者が、その主張を貫徹することを目的として行ふ行為及びこれに対抗する行為であつて、業務の正常な運営を阻害するものをいふ。」
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=73012000&dataType=0&pageNo=1#:~:text=%E7%AC%AC%E4%B8%83%E6%9D%A1%20%E3%81%93%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%BE%8B,%E9%98%BB%E5%AE%B3%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%82%E3%81%AE%E3%82%92%E3%81%84%E3%81%B5%E3%80%82