「男性稼ぎ手モデル」
◆男性に限られるわけではありません。みながケアを担うのではなく、誰かにケアを任せることでケアを担わない人が長時間労働をするシステムのことです。
そのシステムで利益を得ている人がいます。女性の無償労働、あるいは低賃金労働に支えられることが当然視されています。その仕組みを変えたくない人がいます。
◆80年代までは、目に見える形でみなが豊かになっていたので国家の正当性が担保されていました。ところが、日本の経済的な地位が落ちてくると、国家は何のために存在しているのか、という疑問が出てきます。
そこで、保守派は、「独自の国柄」のようなものを持ち出します。しかし、伝統的家族などは架空のものです。実際に守ろうとしているのは、誰かを犠牲にする「男性稼ぎ手モデル」でしかありません。
日本を後退させているのは誰か 「男性稼ぎ手モデル」への執着
岡野八代・同志社大教授https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20230718/pol/00m/010/004000c