「部落」の人々が経験してきた差別と、在日コリアンの人々にとってのそれが重なり合ったり、隣接したりしてきた歴史的事実は、ドキュメンタリー『私のはなし 部落のはなし』(
https://filmarks.com/movies/102033 )でも、ドラマ化もされたミン・ジン・リーの『パチンコ』でも描かれており、 日本の劇映画で取り扱われたことは重要だと感じる。
【中略】
一方で、この事件の背景にあり、本丸であるはずの植民地主義と朝鮮人差別を、もうすこし詳細に取り上げることができなかったのかという思いは浮かぶ。
本作では「朝鮮人なら殺していいのか?」という問いかけはされているが、あくまで朝鮮人虐殺は背景であり、日本人と日本社会を描くことが主眼という印象だった。
「飴売りの少女」とだけクレジットされていた朝鮮人の少女も、民族に関係なく人間であり、「名前はあった」はずだ。
※レビューから抜粋
#福田村事件