でもここで言う「世間」というのは「トランス差別に対してまっとうな意識を持っている」という、残念ながら非常に狭い世間なので、ほとんどの人間は、そしてむしろ人文科学にある程度関心のある本屋ほど、白井聡の名前でその本を信用してしまうことになる。
しかし、常日頃から本の仕入れを自発的にしている人間であれば、白井聡が危うい方向に行っていることは、SNSを見ていなくても察知できたりする。たとえば最近の新刊(リンク先)はビジネス社という版元から出ているが、この版元から出ている本はおおむね「ネトウヨ好み」のものである。そのことを知っている本屋なら「なぜここから出すの?」という疑問が自然と生じる。しかし配本頼みで新刊のチェックをしていない本屋は気づけない。そのうえ雨宮処凛との共著であることもあいまって、なおさら重要な新刊だと思ってしまう。タイトルも一見すると反現政権っぽいので騙される。
https://www.business-sha.co.jp/books/category01/item_a001092