ついに読んでしまったー。
文学賞獲ってる作品で
必然性のないエロ描写で字数くってるものが一番ムカつくものだったのね。
私にとっては。
この作品はどうだろう。
エロはあくまで彼岸、負けない存在の吸引力が此岸にあり、やっとエロが必然になっている、でも絶対要素ではない作品に出会えた。生存と性がお行儀よく居並んでいる。「ちゃんと隠せ」と矢のように、滝のように言われる欲望が、自然のままに息をしている。
それがうれしい。
そしてその此岸があらゆる対概念と自然に結びついてとてもとても遠くへ行く。不自由なほど、自由。小さな室内でさえ社会性ある場所であるとの描写。(作品内で言うところの)弱者同士の気安さの描き方。
何より、話の主軸となる「××して××したい」の衝撃と変遷。
100ページほどの短い作品だが、込み上げてきて何回も泣きそうになった。
読む前はどこか遠いようだったこの作家さんが人としてとても身近に、大好きになってしまった。まだ読ませる。次も読ませる。次回作、とても楽しみだ。