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「なんでそんなことも知らないんだ」「どうしてそんなことも分からずに、堂々と大きな口が叩けるんだ」と思うこと、たくさんあった。
知ろうともしていない（ように見える）態度に、苛立ちや呆れを抱くこともあった。

「私はここまでそれなりに努力して気を付けてやってきてるのに、あなたのそれはなんだ？」

でも、もっと狭い、専門的なコミュニティの前では、僕もまた「何も知らないままのうのうと生きていた人間」のひとりに過ぎない。
今まで「何でそんなことも知らずにいられたわけ？」と呆れて見下しながら発していた言葉が、自分自身へ向けられることになる。

「それなりに努力してやって来た」はずのことが、氷山の一角に過ぎなかったこと。
自分には、これ以上努力して向上して成長し続けるだけのエネルギーが、もうないこと。
すっかり疲れてしまって、ただ静かに、今できる範囲のことをやって、あとは逃げ延びていきたいだけであること。
生き延びるだけで精一杯であること。

そういうことを考えて、「何にもがんばれないなぁ」と思う。