上枝美典著『神さまと神はどう違うのか?』(筑摩書房、2023)読了。
「ちくまプリマー新書」で、文体や用例は軽やかだが、内容としてはかなり深く、一読では理解が難しい部分もあった。そもそもは、スピノザを読むために哲学的な「神」の理解が要ると思い選んだ本だが、その辺はドンピシャで、スピノザ「汎神論」とトマス・アクィナス「認識論」がさらりと対比されている。
個人的にはクオリアが出てきた辺りから俄然面白くなった。「私」って何?Ωって何?という底なし沼の淵に足首を浸らせてくれる。
最終章での提言は、中高生向きの大人の態度で書かれており、「宗教哲学」の入口として良書だと思った。
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