マルクス・アウレリウスは十五歳だった息子を共同統治帝に任命した。この息子が後に暴政を敷いて暗殺されるコンモドゥスだが、逸材を登用して後継に据えるという慣例を破り、無能な実子に継がせたのはアウレリウスが犯した唯一の失策だった。自分の子どもがいるのになぜ他人が継ぐ必要があるのかと思ったのかもしれない。こう書いたら、どんな根拠があるのかという校正者の書き込みがあって驚いたことがある。