「Oppenheimer」 長女に誘われて一緒に観てきた。
3時間超と長い映画で、しかも英語ネイティブの長女ですら「用語が難しくてわからないところが多かった」という私にはハードルが高い内容だったものの、おそらくだがノーラン監督の伝えたかったことは理解できたと思いたい。
映画のメッセージは、「彼は確かに素晴らしい天才科学者だったし、人並みの倫理観も持ち合わせた社会的には普通の人であったが、自分が何をしているかその時点では全然理解していなかった」というのが私個人の理解である。
鑑賞後にいろいろな関連記事を読んだら、ノーラン監督自身も『彼は「絶望的な世間知らず」だと思う』と語ったらしい。そう、「世間知らず」が正しいのかも。
彼のように若くしてそのすさまじい天才ぶりを発揮し社会的にも認められ、あまつさえあれだけのプロジェクトをリーダーとして成功に導いたという点で、並大抵の人物ではない。しかしその才能は結果として22万人の一般人を殺し、その後何万と言う人々を後遺症で苦しめた。彼が自分が何をしたかを悟ったときの絶望はきちんと描かれていたと思う。