【第47話】「海道一の親分」として明治初期に名をはせた侠客、清水次郎長。その養子であった禅僧・天田愚庵による名作『東海遊侠伝』が、町田版痛快コメディ(ときどきBL)として、現代に蘇る!! 月一回更新。 ★既刊『男の愛 たびだちの詩』(第1話〜24話収録)、大好評発売中★ 弘化三年七月。次郞長は三河で知り合った相撲取り、八尾ヶ嶽宗七とともに伊勢にいた。次郞長は八尾ヶ嶽と離れがたく思っていた。その訳は。 そう。八尾ヶ嶽の顔貌が、かつて次郞長が思いを寄せた福太郎と酷似していたからである。そのうえ、角力の興行で全国、いろんなところへ行ったことのある八尾ヶ嶽は清水港のこともよく知っており