アーシアン差別についてももう少し突っ込んだ描き方ができたような気がします。デモを「小うるさい連中」みたいにせず、しっかりその背後にある差別的な搾取構造から語ったのはとても良かったと思う。でもシャディクやニカのような地球出身の人々がそれを強烈に意識していたのに対し、スレッタがどんなふうに認識しているのかはよくわからなかったし、地球とのあいだに立とうとしていたミオリネもそういう構造に目が向いたのかどうか、私には十分にわからず。グエルが気にするようになったくらい?
社会構造としての差別をちゃんと描きつつ、でも主人公たちが直接に反応するのが仲間や寮への攻撃や目の前の戦闘とかばかりで、そのあたりが、ひょっとしたら意図的なのかもしれないけど、主人公たちは表面的な小競り合いには巻き込まれていくのに、社会の仕組みのところには手が届かない感じがあって、リアルといえばリアルなのかもしれないものの、世界設定と物語がちぐはぐな印象を少し受けてしまいました。