◆1年後に五輪、極右政党の台頭…政権に課題山積み
2005年にパリ郊外の別のバンリューから勃発した暴動は3週間続き、非常事態宣言が出される事態に発展した。今回は、交流サイト(SNS)で放火や略奪の動画が拡散されることが過激化を助長しているとみられ、仏政府は運営会社に協力を呼びかけるなど対応に苦慮している。
年頭から年金制度改革への激しい抗議デモを受けて支持率が低下していたマクロン政権にとって、新たな社会危機の発生は大きな痛手だ。パリ五輪の開催を約1年後に控える中で早期の沈静化を図れなければ、治安強化を旗印に掲げる極右政党「国民連合」のさらなる台頭を許しかねない。同党のマリーヌ・ルペン氏は対策立案のために各党からの意見聴取をマクロン氏に求め、圧力をかけている…