◆放火や略奪「残念ながら珍しくない」
6月30日未明、記者が住むパリ市西部の住宅街に爆竹音が響いた。カーテンを開けると、黒ずくめの若者グループが路上に廃棄物やレンタル電動自転車を積み上げて着火。瞬く間に炎が燃え上がるのを見届けると、走り去っていった。
こうした放火や商店の略奪、警察官らとの衝突は仏全土で5夜連続して発生。パリなどの都市部よりも「バンリュー」と呼ばれる郊外地区で頻発している。社会学者のエリック・マルリエール氏(51)は「残念ながら仏国内では珍しくなく、半世紀近く繰り返されてきた光景だ」と指摘する…