結局日本の保守の根本は天皇制で、彼らにとって「家族」が大切なのはそのため。そして「家族」とひとくちに言っても彼らが守りたいのは「父」だよね。
彼らは天皇という「父」を頂点とした世界観を守りたいし「父」の地位を守りたいけれど、物理的に目にみえる形で確定できる「母」と違って実は「父」の地位は脆い。だからずっと女性の再婚禁止規定が長く残り続けたし、選択的夫婦別姓に至っては今でも実現していない。民法で「妻が婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定する」とされていることも含めて、本当は「父」の地位が脆いことを知っているからこそ制度で抑圧して否認しているし、「父」を問い直すことを心から恐れている。
そもそも女系天皇に反対する理由を「Y染色体を持っていないから」「Y染色体を125代遡れば神武天皇に辿り着くということが重要」などと言い出すのも、その恐れのひとつの現れだよね。こんなこと言ってる人たちが同性婚を認めたがるはずもないし、性別の本質主義を問い直したいはずがない。敵は家父長制だし天皇制だしトランス差別も性差別も同性愛嫌悪も全部繋がってる。