で、インドの鉄道はイギリス人が植民地の資源を運び出すのを主目的に作ったので、インド人が乗るとはイギリス人も期待していなかったのですが、蓋を開けてみるとびっくり、インド人が結構乗るのです。その目的の一つが、宗教上の聖地などへ巡礼することにあったといいます。
これは確か、『鉄道と観光の近現代史』を書かれた老川慶喜先生のお話だったと思うのですが、国際学会で日本の鉄道と社寺参詣について報告したら、インドの研究者が、インドの鉄道も参詣客がかなりいた、と共通点を指摘されたとのことです。
インドの鉄道史は、それだけでまとまった日本語の本はたぶんないと思いますが、先日亡くなられた小池滋先生が編集役の一人として手掛けられた『鉄道の世界史』には、インドの章があったと思います。もちろん、ゲージが違う鉄道の存在がイギリス人の陰謀などとは書いてません。