源氏の書き方は褒め殺しというか、表向きには(?)何一つ欠点のない素晴らしい男性ということにしてるけど、女性との関係では徹底して男の限界というかダメ人間として書いている。最愛のパートナーだとされていた紫の上も、結局は最後にバカな色気を出して女三宮を正妻に迎えてしまったために紫の上との間には決定的な亀裂をもたらす。紫の上は源氏の人間性や「結局は自分のこともこの程度なんだ」というのを思い知ってしまったので、もうどんなに言葉で言いつくろっても通用しない。こんなふうに、結局は誰との間もちゃんとした愛情関係を築けなかった。みんな源氏のもとから去ってしまうし見放される。もちろん、女房や末摘花とか残っている人はいるけれど、彼女たちは源氏から見て人間ではなく圧倒的に見下している存在なので、女性の勘定に入っていない。まあ末摘花は身分は高いのでそういう意味では女房よりはましなのか…ひどい話だけど。