てなことを思ったのは、鉄道マニアの社会史的研究である辻泉『鉄道少年たちの時代』を読んだからです。ここで著者が取材した2010年代の中高鉄研の少年たちの言葉に、「鉄道から〈萌えヲタ〉に『転向』することが『地位向上』」になった、という興味深いものがあるのです。
これは結局、かつて月9のドラマを見ていた層がアニメ見ている層を馬鹿にしたのを、数を増してマジョリティになったコンテンツ系オタクが、同じように「クールジャパンで日本経済を回す俺らに比べてキモイ趣味」と見下げているんじゃないかと、思わざるを得ませんでした。
ちなみにひどい本があって、榎本秋編著『オタクのことが面白いほどわかる本』は10種類もの「オタク」を項目立てして解説しながら、「鉄道オタク」は「その他のオタク」(!)としてわずか1ページに押し込められています。アニメができる前からあった鉄道趣味に失礼な。