そもそも「外食産業」というものが戦前にあったかどうか。須田町食堂とか聚楽とか神谷バーとか、企業化した外食チェーン店と呼べる業態自体が僅かでした。あとはデパートの大食堂と、電鉄が駅でやってた食堂ですね。デパートの大食堂は有名ですが、電鉄駅食堂も結構儲かっていたようです。
外食チェーンなるものが成立するには、社会階層や年齢性別で細分化された食生活(行く店が違う)から、大衆化して全体の消費水準が上がった社会になる必要があります。つまり戦後の大衆消費社会化が必須。くら寿司は「食の戦前回帰」を掲げるなら、会社を解散して各店舗を店長に「暖簾分け」せよ。
でもまあ、歴史修正主義的な妄想を振りまくことと、企業として成功することは全く別であって、妄想で突っ走って成功している企業者は結構いるんですよね……やはり資本主義打倒しかないのか。とりあえず斎藤幸平さんの新刊でも読むか。