欧米各国でも新自由主義による「いきすぎた人権」への攻撃があるんだけど、日本(を含めたアジア諸国)の特徴は、行き過ぎるも何も、人権重視の政策が展開される前に国権への回帰が起こってしまうこと。
結果として、開発独裁の人権抑圧に続いて新自由主義の人権抑圧が展開されるという、なんとも…な事態になってしまっている。
こういうのを、(特に韓国の進歩派の社会科学を中心に)「圧縮近代」と呼んでいる。つまり、充分に近代的な社会が展開される前に新自由主義に押し流されているということ。
重要なのは、これは世界の社会経済システム(というか資本主義システム)の作動の結果の一部であるということ。決して日本がおかしすぎるからでも、アジアが儒教主義だからでもない。
たとえ欠陥としてであっても、アジア(日本)の特異性を言うことは、「ニッポンスゴイ」につながる道である。そちらを歩んではならない。我々は世界の小さな一部にすぎないのだ。