満薗勇さんからいただいたご著書『消費者をケアする女性たち 「ヒーブ」たちと「女らしさ」の戦後史』を読みました。「ヒーブ」とは恥ずかしながら本書で初めて知ったのですが、もとは Home Economists In Business の略語で、企業に勤める家政学士を意味しました。
アメリカではそういう意味で生まれた HEIB でしたが、日本では異なった受容をされます。家政学の専門性にはこだわらず、企業内で「女性らしさの視線」で活躍する女性たちを指す言葉「ヒーブ」へと変わっていったのです。
彼女たちは、1970年代以降消費者問題が厳しくなる中での商品開発などに活躍し、女性の管理職の草分けともなります。その中で「仕事と家庭の両立」を迫られるのですが、その対立を「よりよく家庭生活を営むことで仕事もよりよくできる」と積極的に受け止め、ワークライフバランスの先駆けともなります。