ゴールデンカムイ、ややこしいのが、アイヌ文化はけっこう丁寧に調べて絵的に映えるように描いてるし、アイヌの登場人物もほとんどは善良な人達として描いてあるから、歴史修正とか差別に詳しくない人は「アイヌを良く描いてるやん」って思ってしまうとこなんよね。
でもよく読むと、和人に都合いいアイヌを善良に描く一方で、和人に武装蜂起で抵抗しようとするアイヌのことは過激派・テロリスト扱い(その中心人物がヒロインのアシㇼパの父親やけど、人の心が分からん人間のように描かれてて、読者から「どれだけ悪し様に罵ってもいいキャラ」扱いされてる」)。和人による搾取も弾圧も描かない。
アイヌを「殺人を忌避する善良な人々」と描くのは結構やけど、その結果、アイヌによる殺人は許しがたい大罪のように、和人の殺人は「そういう人たちだから」「彼らなりの道理があるから」って免罪するように描写してる。
アイヌの金塊も、「善良なアイヌは自然と共に生きる人々で金塊なんか興味ない」って描くことで、アイヌの集めた金塊を和人が横取りしても別に問題ないかのように描写してる。
一見リスペクトしてるかのように見えて軽く扱ってるからタチ悪い。