:hyuki: 自分の気持ちを言葉にする
自分の気持ちを言葉にするのは大切だと思います。それは気持ちを落ち着ける役に立ちますし、自分を他人から理解してもらうためにも有効です。
「言葉にしてしまうと嘘になる」ケースがないわけではありませんが、それを多用してしまうのは危険です。言葉にしない言い訳になってしまうために、言葉にする練習が不足するからです。
自分の気持ちは絶え間なく揺れ動いており、しっかりした形をとどめないのが普通です。とらえどころがないと言っても良いでしょう。そんなものを言葉にするのは難しくて当然です。けれど、何らかの形で捉えないことには、自分の気持ちに振り回されてしまうことも多くなるでしょう。
自分の気持ちを言葉にするときには、100%を目指さないのが無難です。そもそもそれは不可能だからです。気持ちは頻繁に変化し、揺れ動きます。そして、その気持ちを観察している自分の考えがその気持ちをさらに揺らします。
100%正確に表現できなくてもいいのです。ゼロ次近似でも一次近似でも、近似的に表現しようと試みるのが大事です。
表現しようと試みると、整理しようと考えますし、よく観察するようになりますし、注意深くなります。まずはそれが大切なのです。
表現するときに、自分の表現力に合わせて気持ちを動かさない方が良いでしょうね。乏しい語彙に気持ちの方を合わせるのは良くありません。表現しようと試みるのだけれど、それが不完全であることは充分認めて進めばいいのです。
自分の気持ちを、不完全ながら言葉にする習慣ができていると、そしてその言葉がどうやっても不完全であることを理解していると、他人の表現にも寛容になります。
他人が気持ちをうまく表現できなくても、言葉の選択がうまくできなくて、あるいは、あるとき語ったことと矛盾したことを言い出しても、自分の経験に照らし合わせて「確かにそうなってしまうな」と理解しやすくなります。
言葉にしてしまうとウソになるケースは確かにあります。また言葉にしない方がいいこともたくさんあります。けれど、いつもいつもそれで終わらせてしまうのはもったいないことだと思います。
揺れ動く自分の気持ちを注意深く見たり、「この気持ちはどういうことなのだろう」と考えたり、そしてそれを言葉にしてみたり。そのようなことを考えるのもまた、生きている印の1つと言えないでしょうか。
朝の散歩をしながら、そんなことを考えていました。