杉田俊介「とにかく本来自分たちが持っているはずの権利とか安全が誰かに奪われている、という不安がまず先行してしまう。
排除から剥奪へと、何かが変わった。「剥奪」という場合、それを奪う他者がどこかにいる。それは外敵だったり、共同体の資源を無駄に食いつぶす依存者や既得権を持つ者かもしれない。そうした敵から自分たちのテリトリーを守る、そのために先回りして攻撃するのは当然だ、という感覚があるのではないか。」
「現代はグローバルな被害者意識の時代。
まず漠然とした剥奪感が先にあって、それを正当化するために敵を見つけようとしている。
それが在日コリアンだったり、中国の脅威だったり、権利を主張する女性や障害者だったりする。
現代的なヘイトというのは、はっきり言えば誰が対象でもいい、
自分たちを脅かす存在として名指しできる対象であればいい。」