さらに読者の問題もある。日本の新聞は、英米とは異なり、タブロイド紙と高級紙が分かれるような形での発展を遂げてこなかった。そのため、あくまで読者は「普通の人」だという想定がある。かつてそれは読者を広げるうえで有用だったのに対し、現状では「ある人にとっては難しすぎるし、別の人にとっては単純化されすぎ」というメディアになってしまった。
ネットで積極的に意見を発信する層は後者が多いだろうから、そういう人たちが「偉大なる素人」の書いた記事に満足できず、メディアの要約に不満を述べる専門家と同調して、メディア批判につながっているという感じではないか。