「私の子ども時代は戦争の時代です。1924年生まれですので、私が小学校の2年生のときは、満州事変という呼び方をしていた戦争がありました。」
「宣戦布告もない戦争です。その後日華事変と、どんどんどんどん戦争の時代が長く続いていって、子どもの私には戦争はあたりまえであって不思議には思わなかった。」
「侵略という言葉を知ったのは戦後のことのように思います。」
「そして私は一生懸命戦争に協力してきたと思います。一生懸命働いて、戦争にこれだけたくさん必要なのだから私たちは我慢しましょう、ほんとうに我慢しましょうと言って協力してきた人間なのです。」
「戦争が他国を侵略しているものであるとか、誰がそのために儲けるのか、誰が利益を得るのかということはまったく念頭になかった、子ども時代から20歳すぎまで。」
「敗戦となって、初めて「真相はこうだ」といういろんな情報が出てきたときには、私はもうただただあきれて、なんということをしていたんだという驚きばかりでした。どうして自分たちはこんなに無知だったんだろうと。」