田崎基『ルポ 特殊詐欺』
オレオレ詐欺、キャッシュカード預り金詐欺などの「特殊詐欺」の現在と、そこで「かけ子」「受け子」「出し子」などの末端を担って犯罪者になってしまった人はどういう経緯でそうなったのか? についてのルポ。
ターゲットに騙しの電話をかける「かけ子」、その電話にひっかかった人のところに行って現金やカードを受け取る「受け子」、さらにそのカードを使って現金を引き出す「出し子」がいる。ここが末端。
彼らを勧誘するルクルート係がいる。手っ取り早く稼ぎたい10代、20代の若者をTwitterなどで集める。SNSを使うのは地縁などのリアルつながりだと捜査が指示側に及ぶ危険があるので、それを切断しておくため。「高収入」「闇バイト」という文言で検索してくる人とDMで接触し、そのあとテレグラム、シグナルといった自動的に履歴が消える通信アプリを使って指示する。
犯罪者同士が直接顔を合わせることはなく、カードや現金の受け渡しにはキーレスコインロッカーや公衆トイレが使われる。業務を細分化し、複数の手順を踏んで、証拠を残さず、現金を詐取する仕組みが作られている。1/