炭鉱の町には銭湯は無かった。その代わりに共同浴場が町内各個所にあり、時間の制限はあるものの、無料で利用できた。大きなとこだと、子供なら余裕で溺れるサイズ? ひとり暮らしし始めてから初めて銭湯に行ったけど、こんな小さいのって驚いた。腰に手を当ててコーヒー牛乳を飲むのは、ドラマなどで見てたのでやったけど、他にやる人はいなくて恥ずかしかった?
鉱業所には炭鉱夫用のさらに大きな浴槽の風呂があり、父に連れられて何度か入ったことがある。父の仕事の過酷さが溶け出したような、どす黒いお湯が怖かった?
Gboardの辞書には「炭鉱夫」は入ってない・変換できない。あらためてひとつの職業が社会から消えてしまったと思わされる。職業選択の自由は憲法で保証されていても、社会がその職業を選択しなくなってしまうことはある。どんな職業もいつこの社会から不要のレッテルを貼られて葬り去られることがあるかも知れない。
自分は原発に反対しているけど、それが現にその職業に就いている人の職業を抹殺することは、いつも意識している。
決して仲の良い関係でなかった父のことを、最近になってよく思い出す。これが老けたってことか?