退院以降、私は「脱施設派」になり、閉鎖病棟や隔離施設が必要ない社会を望んでいます。こう言うと、今すぐすべての病棟を壊すべしと主張する急進派だと思われてしまうのですが、そうではありません。実際には、希望は抜きにして「脱施設」はこの国の精神医療にとって避けられない宿命です。準備が整っていない状態で脱施設が進むと、問題が今よりひどい深刻さで顕在化するのは間違いありません。なるべく軋轢の少ないプロセスで脱施設をソフトランディングさせるために、できることはあるはずだと思っています。たとえどんなに小さなことでも。