→第8章。ここまで男性研究者が書く、というところに感動。自分がなぜこの研究テーマを選んだのか、それをきちんと説明し、発表すること。それは当然のことなのかもだが、しかし研究、そして臨床の世界では、まだまだ例外的。エセ中立的な立場が、臨床の中立性を担保する、という言説が、まだまだ横行。
西井さんのD論は、そこを突き抜けた。やまださんに来てもらって、その点を話す部分がD論にあり、そこは、非常に感動的だった。
仲間たちは、いきなり研究の俎上に上げられ、ショックだった。その言葉を聞き、西井さんもショックを受け、変わっていった。そこが、白眉。
研究としても、臨床としても、非常に重要なところ。臨床で言えば、お金をもらっている以上、自分のことを話さないようにしている。
かつて、臨床の場で、自分の立場を話すことを大切にしていた時期もあった。信田さんは過去、それがいやだった。自分を売り物にしない、というつもりでやってきた。今まで一貫してやってきた。
また文筆で、ひとりを取り上げるのではなく、まとめて書く、というようなことをやってきた。
そうしたことを、再考させられた。西井さんのD論を読んで。→