私は昔の仲間とのしがらみをたち切ってからがクロスビーの真骨頂だと思っている。
具体的にいえば、息子(とはいえよくある二世とはまったく事情が異なる)のジェームズ・レイモンドと、クロスビー・ピーヴァー&レイモンドを結成してからがおもしろいのだ。スティーリー・ダン的なセンスを持つマルチプレイヤー、レイモンドの技術を得、クロスビーの音楽は懐メロに陥らず最先端に生まれ変わった。前述の『ライトハウス』に集った3人も今のアメリカで最も興味深い活動をしているミュージシャンたちだ。クロスビーが元来持っていた「ジャズ」の資質を開花させたのは、若手との交流である。
以前クロスビーがツイッターでロジャー・マッギン(古巣バーズのフロントマン)をブロックしたことが話題になったが、マッギン自身はクロスビーを嫌ってはいないとコメントしている。晩年の彼が自ら孤立を選ぶ面倒くさい爺さまだったことは疑いようもないが、私は最後のディケイドでクロスビーが送りだした5つの作品を「傑作の森」と評価したい。
2014年『Croz』からウィントン・マルサリスのトランペットが美しい一曲を。
https://open.spotify.com/track/2JVY7j2lg2Z59kfuRdKzN7?si=75kgf46DS22vkr0xTa3QSw
Embed Notice
HTML Code
Corresponding Notice
- Embed this notice
岩下 啓亮 (iwashi_dokuhaku@toot.blue)'s status on Saturday, 21-Jan-2023 19:41:29 JST岩下 啓亮