その昔、新古書店ブームがめちゃくちゃ吹き荒れたころ、
「本は新刊で買うべきだ。古本では著者にも出版社にも一円も入らないから、出版界が衰退する」
という説が主流だった。自分もそう思っていた。
シリーズ物などは、売れ始めると新古書店で多く回るようになり、重版のスピードが鈍ってしまう。編集さんから「新古書店がなければもう何巻か続けられたシリーズも多い」と聞いて、困ったことだと思っていた。
さいきん、業界外の若い方々とお話しすると、通販で古書で本を買って、読んだら売る、という方がやはり多い気がする。丁寧に読んで、次の読者に回す。お金の問題ももちろんあるけれど、環境問題が関係しているように感じる。自分一人が新品を買って、読んで、終わり、とするのは、資源を大事にしていない、大事に扱って次へと回せば環境にもよい、という問題意識が根底にあるように思う。
それも正しく感じ、自分もさいきん、行動をそう合わせるようにもなってきた。とはいえ、自分は本を作っては売る側でもあり、資本主義…環境問題…うーん…考える…
また答えがない。
ただただ、日々、難しい。
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Monday, 16-Jan-2023 10:16:56 JST桜庭一樹