もし、NATOがロシアを仮想敵国とした東方拡大ではなく、ロシアをも包摂した集団安全保障の枠組みに進化していたらウクライナ侵攻は起きなかったんじゃないかと思う。東アジアでも、日米同盟を軸に中国との緊張を高めるのではなく、中国、ロシア、(いわゆる)北朝鮮をも包摂した枠組みを作る努力をしていれば、状況は全然違っただろう。
でも、アメリカはそうしなかった。緊張が持続した方が武器売れるもんね。同盟国にも売れるし、自国でも軍事予算確保しやすい。戦争が起きたとしても、アメリカ本土から遠く離れた東欧や東アジア。気楽なものだ。マジで反吐が出る。
そうこうしてるうちにロシアではプーチンが台頭し、チェチェンやジョージアでアメリカと同じ様なことをやり出した。中国も経済的に力をつけるとともに、アメリカのやり方を真似しだした。日本は経済的にも凋落し、極右が台頭してどんどん国際的信用を失う。第一次湾岸戦争の到達点から数えて、その後の「失われた30年」の間に、世界平和への可能性は大きく後退してしまった。本当に無念。