100分deフェミニズム、アトウッドの「侍女の物語」が紹介されてるけど、なんか色々不安になるかんじ。
アトウッドがトランス差別的な記事をRTしたという話が一昨年くらいにあったけど、軽く調べた限りでは去年アトウッドはトランス/ノンバイナリーの人に連帯を示すプロジェクトに参加していたし、英ガーディアン紙のインタビューではターフな記者に色々言われながらも賛同しない旨を言っていたし、作家本人が明確にターフ的な主張をしているわけではなさそうだった。ただ『侍女の物語』って「出産できるひとが著しく少なくなり、出産できるひとは強制的に生殖させられる」ディストピアで、階級や人種等ではなく出産能力の有無によって女性が分断管理させられる物語で、物語の枠組みそのものに問題があるような気が私はしている。
というのも、現実には生殖をめぐる国家による管理は、たとえば日本には優生保護法がかつてあったし、女性のセクシュアリティに対する抑圧としての純潔主義は優生思想に基づく人種差別と絡み合って存在していたし、そもそも「異性愛家族の枠組みの中でのみ」生殖が許容されてきた/いることは異性愛主義やモノガミー規範とも切り離せないはず。