中途半端なことをやっても勝てる見込みのない「詰みゲー」状態であることを認識することからしか「リアリズム」なんて始まらない。
東日本大震災が起きても、その中で原発事故が起きて大変な状況になっても、「それでも攻めてはこなかったのはなぜか」と考えること。攻めて得られるものがないからだし、失うものはたくさんあるということ。ミサイルの有無に関係なく存在している利害の配置をきちんと読むこと。話の大前提でしょう。
外交で戦争を防ごうだなんてお花畑だとよく言われる。話は逆だ。日本が軍事力で戦争を防げるだなんて、そもそも無理。それを前提に「外交にしか活路がない」。今の日本がやっていることは、その外交的正当性を惜しげもなく捨て去るようなことばかりしている、ということ。……書いてても虚しくなるほど、この国の世論は明後日の方向ばかり向いているわけだが。