一見強固で揺るがないようにみえる独裁体制には、子細に分析すると、大きな弱点が存在すると政治学者ジーン・シャープは言う。そこを見定めることが肝要だというのだ。
独裁体制は単独では成り立たない。有形・無形の民衆による支持があってこそ成り立つ。その力の源を断つことで容易に瓦解する弱さが潜んでいるという。独裁体制に終止符を打てるかどうかは、そのことに民衆が気づくことができるかどうか、その上で集団として行動を起こすことができるかにかかっているという。第一回は、シャープの深い洞察がこめられた権力観・政治観を通して、独裁体制のあり方やその弱点を見抜く方法を学ぶ。