なお、岩田温氏は学術会議任命拒否問題で、学術会議叩きをしていた、同業者への敬意を欠いて俗情に阿った一人であることも忘れてはなりません。学術会議への政治経済の介入は、こういった研究共同体の発展よりも、自分の名を売る人間の跳梁をもたらすことは、ごく容易に想像できます。
産経新聞は当然のごとく自民党のお先棒を担いでいますが、じゃあ民主的な選挙で政権に就いた菅直人首相による原発停止も「民主的」と受け入れるんですねという嫌味はさておき、学問の真理追及は民主主義と違う原理で動いているのだという当然のことへの理解が欠けています。
https://twitter.com/Sankei_news/status/1607202160193982470
私がこういう時に思い出すのは、「文学に無知なものが文学に権力を振るっている」と、ソ連当局の検閲制度廃止を求めたソルジェニーツィンの訴えです。学問でも芸術でも、その発展には当事者の共同体の存在が大きな役割を果たし、それは自立的に運営されてこそ成果を挙げるのです。