SDGsと在日外国人の人権。
11月、藤本伸樹さん(ヒューライツ大阪)のオンライン講演会で興味深い話を伺った。
藤本さんによれば、たしかに日本政府(特に法務省)は外国人の人権に関する国連からの各種勧告を無視し続けているが、政府としては決して国連を軽視・無視しているわけではなく、国連の中で日本のプレゼンスを高めたいという流れが確実にある、とのこと。特に、昨今「SDGs」の実践がこれだけ求められているのは、それをテコにして日本のプレゼンスを高めたいという狙いがある。そして、SDGsの中には人権に関する項目が入っていて、日本政府としても無視出来なくなっている、とのこと。
たしかに産業界の方からすれば、SDGsの基準に達していない製品とかサービスは国際的にボイコットされるリスクが出てきたわけで、そう考えると特定技能や技能実習生などの制度の見直しを今年急に進めることになったのも合点がいく。ちなみにSDGsは推進本部長は総理大臣で、監督官庁は経産省。
自分達のこれまでのやり方を否定されたくない法務省と、形式的であってもSDGs推進のアピールをしたい経産省の間で、今後も綱引きがあるのだろう。
市民運動が在日外国人の人権をせめて国際基準並にしようとする時、(言葉は悪いが)この綱引きを上手く利用できるかどうか。