『そばかす』、とんでもない大傑作だった!
婚期を逃しながらも恋愛には興味なく、実家ぐらしでコールセンターバイトのアラサー女子の佳純が母親に強引にお見合いをセッティングされ、そこで佳純と近い恋愛価値観を持つラーメン屋店主の木暮翔と出会う。
「多様性」をテーマに、
結婚、LGBT、価値観に深く切り込んでいる。
主人公・佳純の蘇畑家は祖母と両親と一緒に三世代で住み、近くに産婦人科医と結婚した妹・睦美がいる。
基本的には婚期を逃した佳純を中心に蘇畑家の様子を映すけど、そこはまさしく小津安二郎監督の『麥秋』や『彼岸花』等の婚期逃し娘の話の令和版と言える。それは、三宅弘城が演じる静かなる父親・蘇畑純一の様子が小津映画の笠智衆に近い雰囲気があり、より匂わせる。
この他に
佳純がお見合いで出会った翔と付き合うエピソードと
佳純が幼馴染が経営する近所の幼稚園で働くエピソード、
偶然再会した同級生・世永真純と意気投合して遊ぶエピソードなど、
等身大の令和のアラサー女子お一人様を描いている。