北村有起哉主演映画『終末の探偵』、北村有起哉版兼令和現代左翼リベラル版な「探偵物語」。
ミニ歌舞伎町のような東京郊外のとある街を舞台に、ヤクザが仕切る裏カジノの借金をチャラにするために、主人公・連城が組長からある依頼を受け、時同じくしてフィリピン系の女性から行方不明になったクルド人女性の捜索依頼を受ける。
明らかな「探偵物語」インスパイアな作品ながら、大泉洋よりもやさぐれ、ボンクラ感がピッタリハマる北村有起哉がアウトロー絡みの事件を解決していく。これに、いつの間にかに外国系の店が増えた街並みや連城のフィリピン系の同級生、それと捜索該当者のクルド人女性にしても日本に住む異邦人と日本の外国人排斥問題・ヘイトスピーチをも取り扱う社会派的な一面もある。
が、後者の要素は「仮面ライダー BLACKSUN」みたいな直接的な描写がないわりには「今、方向的には外国人居住者や外国人の店が増えてるよね」というのが目立つ。
つまり、「仮面ライダー BLACKSUN」ほどこの問題をきちっと落とし込めてなく、
結果、北村有起哉主演にした社会派“風味”の「探偵物語」インスパイアなB級映画に落ち着いている。