「日米同盟」と言うけれど:東京新聞 TOKYO Web
2022年5月28日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/180112
“ただ、東京新聞の社説では日米関係を「同盟」とすることは極力避け、「日米安全保障条約体制」と表現することを心掛けています。
日本は米軍に基地を提供していますが、憲法九条で戦争を放棄し、米国を軍事的に守る義務はありません。双務的ですが、相互防衛義務を負う他の同盟とは異なります。
かつて、鈴木善幸首相が同盟には軍事的意味合いは含まないとの見解を示し、反発した伊東正義外相が辞任したこともありました。同盟とはそれほど重い言葉です。
政府が近年、日米同盟という言葉を頻繁に使うようになった背景には、日本の軍事的存在感を強め、集団的自衛権を行使して、米国の戦争に参戦できるようにしたいとの意図を感じざるを得ません。九条形骸化の動きです。
「同盟」という言葉を安易に使えば、政府のもくろみを追認することになります。たかが二文字、されど二文字。本紙のささやかな抵抗に、一人でも多くの読者が気付いてくれたら幸いです。 (と)”