ノルウェーの探検家、ロアール・アムンセンが世界で初めて南極点に到達したのは111年前の今日、1911年12月14日のことだった。一番乗りを争ったスコット率いる英国の探検隊はその34日後に辿り着き、ノルウェー国旗とアムンセンがテントのなかに残した二通の手紙を発見することになる。そのうちの一通はスコットに宛てたもので、もう一通の国王宛ての手紙を持ち帰って欲しいという文面だったという。残酷な話しだが、誰かがアムンセンの偉業を証明する必用があった。スコットは絶望し、「神よ、ここは恐ろしい土地です」と日記に書き記した。だが、本当に恐ろしかったのは帰路で、凍傷や壊血病、食糧不足と強烈な寒気のためにスコットの隊は全滅してしまう。一方、アムンセンもこれで満たされたわけではなかった。晩年は金策に苦労しながら北極点を目指し、1925年に成し遂げる。そしてその三年後、遭難した仲間の救助のために再び北極へ向かい、消息を絶ってしまう。後に飛行艇だけがノルウェーの北の沖合で発見された。こうしてアムンセンは北極、スコットは南極大陸と、ライバルのふたりがそれぞれ、地球上でもっとも離れた場所に眠ることになったのは皮肉だ。ところで、南極大陸にピラミッドと古代文明の遺跡が発見されたというニュースがあったけど、あれはどうなったんだろう。