(承前
前置きは置いて、何度か言及した岡本太郎展に出展されていた
「殺すな」"Don't Kill"意見広告です。右端の解説にあるようにベトナム戦争に反対する市民の運動体「ベトナムに平和を!市民連合」(ベ平連)が1967年ワシントンボスト紙上に掲載した反戦メッセージ広告です。
岡本太郎は「殺すな」の一語を揮毫しています。
「彼は戦後、平和教育の名のもとに戦争の主体があいまいにされていくことにたびたび疑問を呈している。」
この時代、まさに米国の若者の数えきれない死によって日本の平和は保たれていたのであり、感性の敏感な者にとっては堪え難い状況だったろうと想像します。
私達にとって必要なのはこうしたメッセージであり、現状をそのまま追認し受け止めていくことではないはずです。先日の今年の漢字「戦」の意味していたものは(意味していなかったものは)何なのか。
この岡本太郎の作品は改めて考えるきっかけになるのではと思います。