『「社会正義」はいつも正しい』を読んだので、素人ながら少し感想。この本では、現在の「社会正義」を求める「理論」の淵源を、著者達が「ポストモダニズム」と呼ぶフーコーやデリダらのフランス現代思想に求めていて、そこから「ポストコロニアル理論」
クィア理論」「批判的人種理論」「ジェンダースタディーズ」「障害学」などの「応用ポストモダニズム」(と著者達は呼ぶ)が生まれ、今やそれらが「社会正義」を盾に暴走しているというのが大雑把な流れ。
それぞれに章立てされて論じられていくのだが、理論の把握については相当雑な捉え方がされていると思えた。昔、日本でも言われたポストモダンを「価値相対主義」の一語で冷笑するような感じ。
著者達(そして訳者解説でも)がそうした批判の根拠にするのが「リベラリズム」と「啓蒙主義」で、それさえあれば、過激な応用ポストモダニズムは、不要だと言わんばかりなのだが、これはかなりの楽観と歴史修正的な見方で、リベラリズムと啓蒙主義だけでは、凝りかたまった、植民地主義的性差的人種的健常者的偏見が解きほぐせないからこそ生まれてきたものだろうと思う。
実は著者達もそれは分かっていて、「応用ポストモダニズム」の理論には全て一理ある、あるいは3割正しいとか書いているw
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こややし? (kova41@fedibird.com)'s status on Thursday, 08-Dec-2022 14:51:23 JSTこややし?